夜蝶 〜早苗〜


 しばらくするとペニスの律動が収まり、絡みついていた早苗の両脚が緩められる。
 謙太が腰を引くと、秘芯に刺さっていた男根がゆっくりと抜かれた。
 愛液で塗されていやらしく光るペニスの先端が糸を引き、早苗の陰唇と繋がってい る。その陰唇から白い液体が零れてきたのを見て、謙太は未亡人の膣内に自分の精液 を注ぎ込んだことを再認識した。
「あぁ……ひどいわ。もう少しだったのに、自分だけいっちゃうなんて……」
「ご、ごめん……早苗さんのおまんこ、すごく気持ちよくて」
 意地悪に抗議してみせる早苗。
 そんな彼女に対し、未だ半勃ちの男根を出した姿のままの気恥ずかしい弁解に、謙 太は思わず苦笑してしまう。
 ずらされたパンティにガーターベルト、ストッキング。広げられている股間から零 れる精液。汗に脈打つ美乳を揺らしながら、喘ぐように呼吸している未亡人の姿は相 変わらず欲情をそそる。
「まだ、できるわよね?」
 早苗は身体を起こすと、謙太にソファへ座るよう促した。
 反対にソファから降りた早苗の前に浅く腰掛けると、愛液で淫らに輝く謙太のペニ スが未亡人の眼前に向けられた。
 床に跪いた姿勢で、早苗は男根に右手を添える。
 まずはあっさりとした口づけ。赤黒く膨らんでいる亀頭に感触をなじませるよう に、口唇をあてがう。
 謙太の反応を伺いながら、徐々にリズムをつけていく。吸いつくような音をたて て、時折指で幹の部分を扱く動きをさせていると、呼吸が荒くなってきた。
 自分の男性器にキスを繰り返す未亡人。
 薄目でこちらを見ながら、紅いルージュで男根を包み込んでいる。
 刺激に流されながらも早苗の姿をよく見てみると、彼女の右手は自分の股間にあっ たが、左手が確認できない。
 背もたれに寄りかかっていた顔を起こし、視界を下へとずらす。
「あふっ、んふぁっ……」
 視線を左肩の丸みから徐々に下降させると、二の腕が乳房を覆い、さらに下へと伸 びている。
 この時点で、謙太は早苗がどのようにフェラチオをしているのかひとつの解答を得 た。
 正確には、早苗が自分のペニスをしゃぶりながらも、同時に別のことをしていると いうことだ。
 湿った音がしているのは、謙太の股間からだけではなかった。心地よい刺激に思考 回路が麻痺させられてしまいそうだったが、なんとか音を聞き分けようと耳を澄ませ る。
(くちゅっ、ぴちゃっ……)
 間違いなかった。


クリックしてね

 早苗は左手で自分の股間を弄りながら、謙太の男根を頬張っていた。射精で一時的 に萎えたペニスを励ましながら、絶頂に達することなく中断させられたヴァギナを慰 めていたのだ。
 射精して間もないペニスに、ようやく勢いが戻る。
 温かい口唇の中に包み込まれ、舌による別の刺激が亀頭を責め立てるかのようにう ねってきた。
 謙太の男根が早苗の口の中へ飲み込まれると、別の淫靡な音が鮮明になってくる。
 くわえ込んでいたものを失って、代替えで満足せざるを得ない不満を訴えているよ うにも思えた。
 見るも淫らな早苗の奉仕は、もう一度自分を貫いて欲しいから――愛情云々よりも 本能。
 女、それ以上に、雌。半ば動物的な行動なのかもしれなかった。
 それならば、謙太も男である前に、雄としての本能を示すべきだろう。



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2004.11.24