逆・愛人電話帳 〜唯〜


 郊外にある大規模型のショッピングモール――いくつかの小売店の集合体的な形式をとり、土日祝祭日となると相当数の買い物客たちで賑わうのだが、平日の昼間となると客脚が疎らなことが多い。
 主婦層が多いスーパーマーケットならまだしも、工具や大規模な生活雑貨が並ぶホームセンターとなると、その差は歴然。もっとも日曜大工に勤しむお父さん方が平日昼間に来店するというのも奇妙な話ではあるが。
 そして、いろんな意味で落ち着く昼下がりの時間帯になると、人の往来が少ない倉庫では稀にこんなことも。
「あっ、あんっ……あふっ、はふぅんっ」
 前屈みの唯は、壁に両手をつく姿勢になっている。
「相澤さんったら、もうこんなに濡らして」
 いやらしい奥さんだ、とでも言わんばかりに、伴は唯の湿った部分に中指を押し込む。指先が花弁を掻き分け、ゆっくりと膣に沈んでいった。
「あぁんっ……だって、レジでずっとあんなコトされてたら、こうなっちゃうわよう」
 レジに立っているとき、ずっと膣内で蠢動していたローターのことを思い出すと、唯は身体がさらに熱くなってしまいそうだった。
「刺激的でイイかも、とか言ってたのは相澤さんだろう?」
 伴は軽くからかいつつ、指先で膣壁を掻き始める。
「あぁっ……あっ、あっ、あぁんっ……!」
 伴の指は太く、十年以上に渡り力仕事をこなしてきた逞しいものだ。繊細なタッチとは縁の遠そうな愛撫ではあったが、唯にとっては少々粗野な方が感じやすいかもしれない。
 エプロンの下ではブラウスがはだけ、ふたつの乳房が窮屈そうにこぼれ出ている。
 伴はエプロンの布地を真ん中に寄せて、唯の乳房で挟むようにさせた。股間を弄られるたびに大きく揺れる美乳をぎゅっと掴むと、唯の前屈みの肢体がびくんと跳ねる。
「はぁぁんっ……!」
 乳牛から乳を搾るような手つきで乳首を責めながら、伴は膣内の指を一本増やした。
「あぁ……んっ」
 男の左手で左の乳房を、右手で女陰を虐められている唯は、それぞれの腕の動きに併せるように腰を揺すっている。上から、つまり伴からの視点で見てみると唯が尻を振って悦んでいるようにしか思えない気がした。
 唯は突っ張っている両腕に力を込めながら、絞り出されるように声をあげる。
「もっ、もうダメ……ちょうだい……伴さんの太いの、私にちょうだいっ……!」
 嬌声の混じったおねだりを受けた伴は、すぐにスラックスのジッパーを引き下ろした。
 滾々と愛液が溢れる股間を露わに、艶のかかった甘い声で求められてさすがに我慢できなくなったというところだ。
 伴は自らの赤黒く膨れ上がった亀頭を秘唇にあてがい、唯の腰を掴む。視界にあるのは艶めかしい身体のラインに浮かぶ、ガーターベルトと尻肉、そして女性器のみだった。
「あん、早くぅっ」
 急かされるのとほぼ同時に、亀頭が呑み込まれた。
「んぁっ……あぁぁっ!」
 伴は唯の尻肉を強めに掴んだまま、亀頭から太幹、そして根元まで一気に貫く。
「あんっ、あっ、あぁっ、あぁーんっ!」
 最初の挿入で、唯はいきなり子宮口まで突き上げられた。
 鍛え上げられた体躯の通りに、伴のペニスは太く、そして逞しい。それでも夫のモノと比べてしまうと、若干劣ると言わざるを得ないのだが――もちろん、このことは話さずにいる。
 伴の荒々しいセックスは、自分のペニスで女を征服しているという自信から生まれている気がしていた。唯が伴との情交で求めているのは、まさしくその部分である。
(主人とは別の、良さがあるから――)
 その根底となる部分を揺るがせてしまったら、唯が伴に身体を開いている意味がなくなるだけでなく、彼のプライドの一端を傷つけてしまうことにもなる。
「あっ、はぁんっ! あはぁぁっ……あぁんっ、あっ、あぁーんっ!」
 逞しく上を向いた男根が、潤んだ女陰を掻き回す。
 捲られたスカートから伸びる唯の両脚は、白いストッキングで飾られた流麗な曲線を維持しながら、降り注いでくる快感で砕けそうになるのを堪えていた。
 伴の右手が、突き上げに併せて前後に揺れる乳房を掴む。
「あっ! あぁ……はぁんっ、はぅんっ」
 利き腕の力で鷲掴みにすると、唯は背中を強く反らせて身悶えた。
 さらに固く痼っていた乳首を摘み上げられ、無意識のうちに膣壁を締め付けてしまう。
「乳首を摘まれるとオマンコが強く締まること、旦那は知ってるのかな?」
「あぁっ、あーっ……あぁんっ、あんっ……」
 唯は喘ぐだけで、質問には答えない。
 夫は自分が乳首を摘まれると膣壁が締まるだけでなく、クリトリスが膨らんでくることや、勃起した乳首を指先で掻かれると乳輪が盛り上がってきたり、後ろからペニスを挿入された状態で口唇にキスをされると愛液がさらに噴き出してしまうことも把握している。
 同じく既婚の伴としては、倦怠期に陥った人妻の一時の火遊びに巻き込まれたかのように感じているのかもしれなかった。
「もっとぉ……わたしのオマンコ、伴さんの逞しいオチンチンで、もっといっぱいかきまぜてぇ……」
 唯が尻を振りながら、繋がっている相手に甘えた声を向ける。
 すると伴は、気を取り直したように両方の乳房を下からすくい上げながら、埋めていたペニスを再度子宮口へと捻り込んだ。
「あぁうっ、んんーっ!」


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 後ろから貫いている男の腕の中で、唯は身体を捩らせたかのように激しく悶える。
 いまは、余計なお喋りはしたくなかった。
 自分の身体に快楽をもたらす、彼のペニスを味わうことに集中したかった。
 少なくとも伴とのセックスは、言葉やムードで愉しむものではなく、お互いの性器で直接刺激をやりとりするのが一番愉しめることを、唯のヴァギナは十分承知していた。
「あっ、あぁっ、あんっ……あっ、あっあっあっ……」
 壁に両手をつき、ふたつの美乳を鷲掴みにされたまま、唯の媚肉は出し入れを繰り返す男根をキュッ、キュッとリズミカルに締めつける。
「あんっ、あんっ、あぁんっ……あぁっ、あっ、あんっ、あぁんっ」
 弾むような喘ぎ声と、腰をくねらせながらペニスをくわえ込む人妻の姿に、伴はどんどん高まっていく。
「うぅ、もっ、もう、ダメだっ……でっ、出ちまうぅっ!」
 伴は大きく呻いて、突き入れているペニスを膣奥へと押し込んだ。
「あぅんっ! あぁぁーっ……」
 唯の子宮口の間近で、男根が上向きに震えた。
 次の瞬間、亀頭の先端部から白濁液が次々と吐き出されて、膣奥から子宮へと注がれていく。伴は両手で唯の腰をがっちりと掴んでおり、ペニスから発射するすべての液体を女体の中に呑み込ませようとしていた。
「あぁ……すごく、熱いぃ……」
「たまんねぇ……相澤さんのオマンコ、最高だぁ……」
 射精直後で敏感な亀頭を膣壁に擦り付けて、残っているかもしれない精液を絞り出す。伴が股間を引くと、射精を終えたペニスがゆっくりとヴァギナから抜けていった。
 接合部からねっとりと糸が伸び、互いの精液を繋げたままになっている。
 が、唯は壁から両手を離すと、やや放心状態気味な伴の前で両膝をついた。
 伴がそれを確認したのもつかの間、唯は半勃ちになっていた男根を両手で包む。
「うっ……」
 唯は何も言わず亀頭にキスをすると、尿道口を口唇に含んだ。
 吸盤が密着したような感覚が男根を襲う。未だ残っていた精子の汁が、唯のローズピンクの口唇へと吸い出されていく。
 さらに唯は右手の指を、陰嚢の袋の部分に這わせた。一方左手は、硬さを取り戻し始めた太幹を前後に扱いている。
 やんわりと揉まれる袋、しなやかな指で擦られる太幹、そして先端部分はすでに口唇に呑み込まれていただけではなく、熱い舌が不規則に這い回っていた。




2012.9.25