逆・愛人電話帳 〜唯〜


「うぁぁっ、すげぇよ、相澤さんのフェラ……」
 唯は時折上目遣いの視線を送りながら、跪いてのフェラチオを続ける。
 一見、高嶺の花に思える美しい人妻が、夫以外の男のペニスをしゃぶっている――伴はそのペニスが自分のモノなのだと再認識すると、唯の頭を両手で軽く押さえていた。
 いまは、俺だけのものだ。この人妻の熟れた肢体が、すべて自分だけのものなのだ。
 伴はこのまま腰を動かしていたくもなったが、意識の中でそれを振り切ると、唯の顔を自分の股間から遠ざけた。
 そして唯のエプロンを引き剥がし、ブラウスのボタンを全部はずして、乳房だけでなく上半身のほとんどを露出させる。
 乳房回りの下に、ハーフカップと思われる白いブラジャーがまだ巻き付いていた。ただそれはつけていても乳首が隠れないプレイ用のブラと表現した方が正しいかもしれなかった。
 考えてみると、エプロンの生地を寄せてブラウスをはだけさせただけで、乳首がこぼれ出てくるというのはノーブラと見るのが普通だろう。
 しかし、彼女はブラそのものはつけていた。が、感度の良い乳首を隠さない淫靡なブラだったということは、今日はこうなることを期待していたのだろうか。
「入れてぇ……」
 唯は伴の腰の高さまで積まれた段ボール箱に尻を乗せると、ブルーのリボンを解いて長い髪をおろした。
 ゆっくりと仰向けに寝そべり、両脚を「M」の形にして股間を晒す。
 秘唇からは、愛液に混じって逆流した精液が漏れ出ていた。
「さっき、ナカ出しされてまだヌルヌルのオマンコに、元気になった伴さんのオチンチン、突っ込んでぇっ……!」
 左手で自分の乳房を揉みながら、右手の指で花びらを開く。
 直後、伴は吸い寄せられるように唯の身体を組み敷くと、再度膨れ上がった亀頭を秘唇にあてがい、息つく間もなくまたもや一気に女体を刺し貫いた。
「あぅぅっ……んふぅーんっ……!」
 限界寸前に滾った肉棒は、再び膣壁を掻き分けて子宮口へと達する。
 亀頭も太幹も、一度目より膨張が大きく思えた。それは不完全燃焼で済まされそうだったヴァギナが、欲しかったペニスを再びくわえ込むことができたからかもしれない。
 ただ伴自身、もっとこのパートの人妻の肉体を味わいたいと思っていたのも事実だ。
 相澤唯の身体は想像以上の代物であまりに早く射精してしまったが、反面まだ達していない人妻がそれだけで満足しなかったのは、伴にとっても幸いである。
「あんっ、あぁーんっ……あっ、あんっ、あぁぁっ……!」
 伴は唯の二の腕をそれぞれ押さえつけ、動きにくいようにした。
 この姿勢で組み敷くことで、唯の喘ぐ表情と、突き入れのたびに揺れる美乳、そして少し下に目を遣れば自分の男根をくわえ込んでいる女陰を存分に眺めることができる。
「あぁっ、あっ……あっ、あーんっ」
「こんなにプルプルさせて、なんてヤラしい身体だ」
 突き入れを緩めて動きが治まった乳首に、伴はむしゃぶりついた。
「あぁぁっ……あんっ、あんっ!……あっ、あぁっ、あっ……」
 尖った肉の果実を欲望のままに吸いたてる。両手で二の腕を固定され、膣内に男根が深々と挿入されている唯の肉体は、乱暴に乳首を責めたてる伴に抗えない。
 伴は乳輪を舌先で丹念に弄ってから、乳頭を軽く噛んだ。
「あぅぅんっ!」
 びくん、と唯の全身が軽く跳ねる。
 伴は唯の二の腕から両手を離し、再び汗ばんだ乳房へ伸ばす。
 上から押さえつけるように揉み込み、自分の唾液にまみれている方の乳首を指先で摘み上げた。
「あんっ!……あっ、あっ、あんっ……」
 乳房を揉みしだき、乳首を弄りながら、伴は挿入したままの男根に力を込める。
「んぁぁっ……!」
 接合部から太幹が隠れると、唯は開いたままの両脚を男の腰に絡みつけた。
 薄目を開けて伴を見つめながら、ローズピンクの口唇を微かに動かす。
「突いてぇ……オマンコ、もっと突いてぇ……」
「わっ、わかったよっ……」
 伴は股間だけでなく掌にも力を込め、収まっていた乳房を鷲掴みにする。
 男の視点で考えると、もう彼女の乳房は気持ちいいというよりも痛いのではないかとも思えるのだが、唯の表情に苦痛の類は感じられない。
 それどころか膣内はよく締まり、喘ぎ声も高まっている。
「あんっ、あぁんっ……あんっ、あんっ、あぁーんっ……あっ、あーんっ……」
 セックスでこんなに悦んでいる女を見るのは、伴自身久しぶりだった。
 自分のペニスをくわえ込んで、こんなに嬉しそうに喘いでいた女はあまり覚えがない。
 よくよく見てみると、髪をおろした相澤唯を見たのは初めてのことだ。
 一緒に勤務しているパートの中では一段違った色っぽさを滲ませていて、こんな女と寝てみたいと考える男は少なくないと思っていた。もちろん、伴もその一人だった。
 さらに髪をおろすと、雰囲気がかなり変わる。
 二人目の女を抱いている、と表現するのはやや大げさかもしれない。が、大股開きの正常位でペニスをくわえ込み、長い髪を振り乱して激しく悶えている姿は、同僚である相澤唯の普段の姿とはかけ離れたものだと、誰もが思うことだろう。
「あぁっ……」
 伴は唯の身体を背中から抱きかかえると、そのまま持ち上げた。
「はぁぁーんっ! あんっ、あんっ……」
 伴の逞しい体躯は、唯の全身を両腕と交合部分のペニスだけで支える姿勢になってもびくともしない。
 腰に絡みつけてある両脚を解いても、唯の浮揚感はなくならないだろう。むしろ体重が下へとかかることにより、突き入れがいっそう深くなった。
「あぁっ、すごいっ、深いぃっ……伴さんのオチンチン、奥まで届いてるぅ……」
 ある種の手応えを掴んだ伴は、唯の背中で両手の指を組ませて固定する。筋肉で隆々とした両腕が、正常位で貫いている人妻の身体をしっかり支えられることを再確認していた。
 不安定とも思える姿勢で、怪訝そうに見つめる唯の瞳を見つめながら、伴は両腕と腰に力を込めた。
「……あーっ、あぁぁーっ!」


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 唯の喘ぎが一際高くなる。
 男根に深々と貫かれた女陰から、愛液がどっと溢れてきた。
「あっ、あんっ……あっ、あっ、あんっ……! あんっ、あんっ、あぁーんっ!」
 膣壁が忙しなく収縮していた。伴が両腕で抱き留めている身体を揺するたびに、唯は半開きの口から嬌声をあげて、火照って汗ばんだ乳房を弾ませる。
 まるで柱のような伴の体躯にしがみつき、両腕と両脚を首と腰に巻き付けていた。
「あぁっ……あっ、あーんっ……いっ、イッちゃうぅっ……!」
 少々の浮揚感と共に、下から膣奥を突き上げられ続けるのはさすがに我慢できない。
 一定のリズムで、跳ねるように唯の全身が震えて、愛液塗れの膣壁が深々と進入している伴の男根を絞り上げた。
「おぉぉうっ!」
 声にならない声を返したのは、伴のほう。
 人妻の肉体を下から悠々と刺し貫いていたはずが、それまで包んで締め付けるだけだった膣壁が吸引するかのように食いついてきたのだ。
「あはぁっ、あぁーんっ! イくっ、イくっ……イッちゃうぅーっ!」
「おぉぉぉっ……おぅっ!」
 嬌声と呻き、雄と雌の絶頂が絡み合い、それぞれの終着へと帰結する。
 伴にとって相澤唯への二度目の膣内射精は、まさに搾り取られたと形容するしかなかった。
 伴は脱力寸前の下半身になんとか気合を入れ直し、唯の身体を段ボール箱の上に音をたてずに下ろす。そして締め付けが緩んだ女陰から、男根をゆっくりと引き抜いた。
 双方の股間から湿った糸が伸びているのは、名残惜しいのか、それともまだ求めているのか。
「うふふふ、お疲れさま……伴さんのオチンチン、とっても素敵だったわよ」
「あ……相澤さんこそ。良かったです、すごく」
 本来は自分は店長で、相澤唯はパートの主婦。
 つまり立場的には優位なはずだが、お互い下半身を晒している状況だと心なしか唯の方が上位に思えてしまうのは、彼女の表情にまだまだ余裕めいたものが感じられるからだろうか。
 欲求不満の人妻を満足させるといったコンセプトは人妻モノのアダルトコンテンツではありがちで、その通りに臨んだら軽くあしらわれたというか。三十分そこそこで二度も射精して、人妻の肉体を堪能できたのかもしれなかったが、唯のほうはどうだったのか。
「また……お相手してくださる?」
「……ええ、喜んで」
 大丈夫かとも思ったが、機会があればまた遊んでくれるのならと、伴は即答していた。
 唯は口許だけで笑うと、乱れた衣類を手早く整え、最後にローヒールを履き直して無言のまま倉庫を去っていく。
 一人残された伴としては、心地良い敗北感とでもいえばいいのか。
 窓を開けて換気を促し、愛液が落ちた床を掃除して、普通に倉庫の点検を済ませたつもりで出てくるまでに三十分くらいだろう。




2012.9.25